服を買うと、誰が富を得るのか?
服を買うたびに、お金が動く。
それは、お金があなたのお財布からお店へ移動するだけではありません。
誰が利益を得て、誰が富を蓄え、誰がそうではないのかが決まっている仕組みを通じてお金が流れていくのです。
服を買うことは中立的な行為ではありません。
私たちが意識しようがしまいが、それは水面下でファッション産業のある特定のあり方を支えているのです。
「お金を使うたびに、あなたが望む世界に一票を投じている」
〜アンナ・ラッペ(サステナビリティ作家・活動家、2000年代初頭)
ファッションが特に強い影響力を持つのは、それが必需品である点にあります。
私たちは皆、衣服を必要とし、定期的に買い替えます。
それがあまりに日常的な行為なので、その選択がどのような影響を及ぼすかを見落としがちです。
しかし、衣服が生きてゆくうえで避けられないものだからこそ、私たちが思っている以上に、はるかに大きな影響力を持っているのです。

服は誰もが必ず選ぶものの一つ
飛行機に乗る回数を減らすことも、食生活を変えることも選ぶことができます。
ですが、誰もが衣服を買わずに生きることはできません。
ファッションは、世界で最も強力でありながら過小評価されている経済システムの一つなのです。
服の買い方を少し変えるだけでも、それが何百万もの人々に広がれば、意味のある大きな変化を生み出すことができます。
個人の努力は小さく見えるかもしれませんが、個人の努力がその積み重った時の影響力は計り知れません。
これまで私は、環境負荷を減らそうと真剣に取り組む方々に出会ってきました。
飛行機に乗る回数を減らし、食生活にも気を配る熱心なビーガンの方でさえも、世界中を行き来する長くて無駄の多いサプライチェーンで作られたファストファッションを身につけていたりします。
また、海岸を清掃する熱心な環境保護活動家たちが、リサイクル不可能なポリエステルで作られた衣服を着ていたこともありました。
それは決して偽善はなく、服と環境問題がつながっているという認識が広く共有されていないことが原因です。
服は、気候変動や環境保全の話題から切り離されて語られがちですが、実際には二酸化炭素排出、プラスチック汚染、長期的な廃棄物問題と深く結びついています。
私たちが身につけるものに少し意識を向けることは、他の環境アクションを邪魔するどころか、むしろその力を強めてくれます。
これが、私たちエシカルコネクションが存在する主な理由の一つです。
お金の流れを追ってみよう!
地元のデザイナーから服を買うと、そのお金は同じ街で活動する個人や小さなチームの支えになります。
日本で作られた服を買えば、そのお金は国内にとどまり、地元の工場や熟練した職人さん、素材を扱うサプライヤーへと巡っていきます。
こうした経済の循環は、距離が短く、目に見える形で地域に還元されていきます。
グローバルな大手ファッションブランドから購入する場合、その流れは完全に変わります。
ファストファッションの場合、ZARA、H&M、GAPといったブランドは規模、スピード、大量生産を軸にしています。
利益は、可能な限り低いコストで大量生産し、長いグローバルサプライチェーンを通じて衣類を流通させ、絶え間ない買い替えを促すことで生まれます。
1着あたりの利益率は低いものの、全体の量が膨大なので大きな収益になります。
そのお金が持株会社、株主、経営層へ流れます。
ラグジュアリーブランドは一見すると違うように見えますが、結局行き着く先は似ています。
ルイ・ヴィトンなどのブランドは、少ない数をはるかに高い価格で販売しますが、実際には巨大な企業グループの一部であり、成長と株主価値の最大化を目的とした仕組みの中にあります。
職人技や伝統が語られる一方で、支払われた金額のかなりの部分は製品そのものではなく、ブランディング、マーケティング戦略、企業利益に充てられるのです。
いずれの場合も、消費者が支払ったお金の多くは、衣服が製造・販売される地域に留まりません。それは経営トップ層に集中するのです。

「大きな利益」は警告サイン
ファッション企業が毎年大きな利益を上げている場合、立ち止まって考えてみましょう。
その利益はどこから来ているのでしょうか?
大規模なファッション企業の利益は突然現れるものではありません。
生産のあらゆる段階でわずかなコストさえも削ることで生み出されます。
安価な素材、高速な製造、簡素化された作り、耐久性の低下、そして徹底的な効率化などの積み重ねです。
ひとつひとつの削減は些細に見えても、それらが合わさることで最終的な品質に影響が出ます。
だからこそ、高い収益性と商業的成功を収めるファッション企業が、必ずしも高品質な衣服を生産しているとは限りません。
多くの場合、消費者が出したお金は、より良い素材や長持ちする衣服ではなく、ブランディング、マーケティング、流通、成長への投資と変わってしまっています。
製品そのものよりも「ブランド」を買っている部分が大きくなるのです。
誰かがこの循環から利益を得ていますが、それは消費者でもなければ、現場の労働者でもないことがほとんどです。
利益は別の場所に集中し、その裏で品質は落ち、買い替えることが当たり前という状況が静かに作られていきます。
一方で、小さなブランドはまったく違う条件の中で動いています。
規模が小さく、メーカーと顧客の距離が近いため、支払った金額の多くが衣服そのものに反映されやすいのです。
その結果、より良い素材、より丁寧な生産、より長持ちする製品が生まれます。
それは道徳的な選択というより、他の部分から利益を搾取する余地が少ないためです。
これは良い悪いの話ではなく、構造としてそうなってしまうというだけのことです。
利益を最優先にすると、どこかで「何か」を削らなければならず、ファッションの世界ではその「何か」が商品の価値になりやすい、というだけなのです。
実際に富を得ているのは誰?
消費者が品質のより良い商品を手に入れられるわけではなく、労働者が実質的な利益を得ていないなら、実際に利益を得ているのは誰なのでしょう?
ファストファッション業界では、ほんの一部の個人にとても大きな富が集中しています。
ZARAを展開するインディテックスの創業者で筆頭株主であるアマンシオ・オルテガ氏は、何度も世界長者番付の上位に名を連ねてきました。
過去10年間で何度か、一時的に世界一の富豪として記録されたこともあります。
この膨大な富は耐久性のある品質や職人技のような価値ではなく、規模、スピード、量によって築かれたものです。
一見すると異なる世界のように見える高級ファッションも、結局は同じ結果にたどり着くことが多いです。
ベルナール・アルノー氏はLVMHを率いており、同社はルイ・ヴィトン、ディオール、フェンディをはじめ、ファッション、ジュエリー、化粧品、ワイン分野の数十もの高級ブランドを所有しています。
近年、アルノー氏はグーグル、アップル、テスラ、アマゾンなどの巨大企業の創業者を上回り、世界で最も裕福な人物として名前が上がることも増えています。
これらの富でさえも、より少なく長持ちする服を作ることで築かれたわけではありません。
むしろ、拡大、ブランドの支配力を強め、そして大規模な価値搾取によって構築されたのだ。
ファストファッションの超高速な回転率であれ、ラグジュアリーの特別感を演出するマーケティングであれ、どちらのシステムも富を上層へ移動させるように設計されています。
ファッション産業が収益性の高い産業となると、最大の利益は縫製現場から最も遠い立場にいる人々に集まります。
衣服を作る人々も、それを着る人々も、一番の恩恵を受けることはほとんどありません。
この事実を理解すれば、価格が高いことや有名なブランドであること、そして人気が本当の価値を示しているとは限らないことがわかります。

本当に買っているものは何?
服を買うとき、私たちは単に布地や縫製、完成品を買っているわけではありません。
高収益なファッションビジネスでは、価格=価値とは限りません。
支払った金額だけでは、素材や構造、服の耐久性について確かなことは何もわかりません。
むしろ価格は、ブランド力の強さ、マーケティング費用、利益率目標を反映していることが多いのです。
この仕組みでは、製品そのものよりもブランドのマーケティングの方が価値を持つようになります。
衣服そのものよりも、その衣服にまつわるストーリーが重要視され、実際の耐久性よりもイメージがより大きな役割を果たすのです。
この点を理解すれば、問いは変わります。
もはや「安いのか高いのか」ではなく、「実際にお金を払っている対象は何か」「そのお金が本当に誰のために働いているのか」という視点を持つことができます。

エシカルコネクションが存在する理由
私たちは皆、服を買います。
つまり、意識しているかどうかに関わらず、皆同じシステムに参加しているのです。
私たちエシカルコネクションが存在する理由は、「買う」という行為が決して中立ではないからです。
何かを買うたびに、資金、権力、影響力がある特定の方向へと流れます。
その積み重ねが、どの企業が成長し、どの慣行が評価され、どんな結果が当たり前になるかを決めていくのです。
考え方はとてもシンプルです。
もし「買うこと」が投票だとすれば、服を買うことは私たちが最も頻繁に行う投票の一つです。
その一部だけでも変えることができれば、インセンティブが変わり市場が再構築され、私たちが着るものを作る人々やコミュニティにとってより良い環境が生まれるでしょう。
それはまた、消費者にとっても、より良い製品、無理のない選択、支払った代金と実際に受け取るものとの価値の結びつきが強くなるというメリットがあります。
これは完璧さや純粋さを求めるものではありません。
大切なのはどちらの方向へ進むかということです。
搾取よりも製品価値を優先する企業を支援することは、利益をより公平に分配するだけでなく、関わる全ての人にとって理にかなった結果を生み出します。
エシカルコネクションはこのような現実に向き合うために生まれました。
ファッションを否定するのではなく、全ての選択肢が平等であるかのように見せかけることもしません。
ここは、より良い買い物を意識的に選択した人々のための場所です。
【出典】
https://www.anxiety.eco/p/the-ultra-rich-list-fashions-billionaires
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